私たちが売っているのは、商品ではなく『少し明るい明日』です。

ネットショップで注文した一冊の本が、翌日ポストに届く。箱を開けると、思っていたよりずっときれいな状態で、あの物語がそこにある——その数秒のあいだに、あなたの毎日にはささやかな「うれしい」が生まれています。私たちラクフルが本当に届けたいのは、この一瞬です。

この記事は、大阪・豊中のラクフル株式会社が、ミッションに掲げた「彩りと艶と輝き」ということばに、どんな意味を込めているのかを、社長・野田哲郎のことばとともに深く掘り下げるものです。読んでほしいのは、ラクフルという会社の根っこを知りたい採用候補者のみなさん。ともに何かをつくれるかを見極めたい取引先のみなさん。私たちを取材してくださるメディアのみなさん。そして、そばで支え続けてくれる仲間とその家族、地域のみなさんへ。私たちがなぜ、ECという仕事を選び、続けているのか。その答えを、飾らず正直に書きます。

リード:ミッションの『彩りと艶と輝き』って、結局どういうことでしょう

私たちラクフルのミッションは、「インターネットを通じて、人々の生活に彩りと艶と輝きをもたらす」ことです。

正直に言います。このことばを初めて聞いた方は、やや抽象的に感じるかもしれません。彩り。艶。輝き。どれも美しいけれど、ネットショップの運営と、いったいどう結びつくのか——。じつは私たち自身、この問いを何度も自分たちに投げかけてきました。きれいな言葉を掲げて満足していないか。現場の仕事と、ちゃんと地続きになっているか、と。

でも、荷物を一つ、また一つと送り出す日々のなかで、答えははっきりしてきました。

「彩り」とは、単調になりがちな毎日に、そっと差し込む変化のこと。「艶」とは、暮らしがふと豊かに感じられる、あの質感のこと。「輝き」とは、その人の心がわずかに前を向く、あの瞬間のこと。私たちはそれを、一つひとつの商品を通じて届けたいのです。

だからいま、私たちは自分たちの仕事をこう言い換えています。私たちが売っているのは、商品そのものではなく、それが誰かの生活にもたらす「少し明るい明日」なのだ、と。


一つの荷物が届いた瞬間、その人の生活で起きていること

想像してみてください。仕事に、家事に、子育てに追われて、あっという間に一日が終わっていく。そんな毎日のなかに、注文しておいた一つの荷物が届きます。

それは、ずっと読みたかった小説かもしれません。子どもが何日もねだっていたおもちゃかもしれません。週末に着ようと選んだ、一着の服かもしれません。中身が何であれ、その箱を開ける数秒間には、確かに「わくわく」が宿っています。

私たちは、この「わくわく」を、決して軽く見ていません。むしろ、ここにこそ、私たちの仕事の本質があると考えています。

商品は、届いて終わりではないからです。届いてから、その人の生活のなかで「使われて」いく。読まれ、遊ばれ、着られ、飾られていく。私たちの仕事は、その長い時間のはじまりに立ち会うことなのです。荷物を送り出すとき、私たちはその先にある誰かの暮らしを思い浮かべています。

本・ゲーム・アパレル・雑貨——それは、誰かの小さな楽しみになる

ラクフルが実際に扱っているのは、とても具体的なモノたちです。

私たちのEC運営事業では、本・CD・DVD・ゲーム・おもちゃ・家電といったリユース商材から、アパレル商材まで、幅広くネットショップで販売しています。中古の商品も多く扱いますが、そこには、私たちなりの誇りがあります。

一度、誰かの手を離れたモノに、もう一度「楽しみ」の役割を与えて、次の誰かへとつなぐ。それは、限りある資源を無駄にしないことでもあり、必要とする人へ、手の届く価格で届けることでもあります。捨てられていたかもしれない一つひとつに、次の出番を用意する。地味だけれど、私たちが胸を張りたい仕事です。

豊中・第15千里ビルの1階では、セレクトショップ「KIDSpo」も運営しています。画面の向こうだけでなく、実際に手に取って、選ぶよろこびを味わってもらえる場所も欠かせないと考えています。

一冊の本が、眠れない夜のそばにいてくれる。一つのゲームが、家族の笑い声を生む。一着の服が、明日の自分をいまより好きにさせてくれる。私たちが扱っているのは「商品」という記号ではなく、誰かの生活に灯る、小さな楽しみそのものなのです。


『楽しいことがいっぱい=ラクフル』——社名は、私たちの約束です

私たちの社名「ラクフル」には、「楽しいことがいっぱい」という意味が込められています。

これは、たまたま選んだ響きのいい言葉ではありません。私たちがこの世界に向けて掲げた、約束のようなものです。ラクフルという名前を名乗る以上、私たちが関わるすべての場面に、一つでも多くの「楽しい」を増やしていく。お客様の生活にも、働く仲間の毎日にも。

だから私たちは、ES——従業員満足を、何よりも大切にしています。理由はとてもシンプルです。働く仲間自身が「楽しい」と思えていなければ、その先にいるお客様に、本物の「楽しい」を届けることなんてできない。私たちは、そう本気で信じているからです。

「今日は子どものお迎えがあるので」と、堂々と言える。それぞれの生活を大切にしながら、それでも、いっしょに前へ進む。そんな会社でありたいと、私たちは願っています。仲間が笑っていない会社に、お客様を笑顔にする資格はない。ここは、ゆずれません。

私たちのクレド(信条)の一つに、「まず与えることを率先する」という言葉があります。見返りを先に計算するのではなく、まず相手の生活に「楽しい」を差し出してみる。この順番を、私たちはずっと守ってきました。


世界の知見に学ぶ——人は「モノ」ではなく「意味」を買っている

ここでいったん、世界で語り継がれてきた知見に耳を傾けてみます。私たちは、自分たちの実感を独りよがりにしないために、外の考え方から謙虚に学ぶよう心がけています。

マーケティングの世界には、古くから語られる有名なたとえがあります。「人はドリル(電動工具)が欲しいのではない。壁に空けたい穴があるだけだ」というものです。人がお金を払うのは、モノそのものではなく、そのモノが暮らしにもたらす結果——意味や体験のほうだ、という考え方です。

この視点は、私たちの日々の実感と、ぴたりと重なりました。お客様は「中古の文庫本」というスペックが欲しいのではなく、「その物語に没頭する時間」が欲しい。「おもちゃ」というモノが欲しいのではなく、「子どもの笑顔」が欲しい。私たちは、機能の向こう側にある意味を、届けているのです。

『なぜやるか』から始める——その発想を、ラクフルの言葉で

もう一つ、私たちの軸になっている考え方があります。「何を売るか」より前に、「なぜやるのか」から始める、という発想です。

長く愛される組織ほど、自分たちの「なぜ(存在する理由)」を先に語り、そのうえで「どうやるか」「何をするか」を組み立てていく、とよく言われます。この順番を、私たちは自分たちの言葉に置き換えました。

ラクフルの「なぜ」は、インターネットの力で、人の生活を少し明るくすること。この「なぜ」があるからこそ、私たちが売るのが本であっても、服であっても、化粧品であっても、根っこはいつも同じでいられます。扱う商品が変わっても、届けたい価値だけはぶれない。だから私たちは、迷うたびに、この一文に立ち返ります。

私たちが本当に届けたいのは、商品そのものではありません。それが誰かの手に渡ったときに生まれる、少し明るい明日です。


図解でわかる、ラクフルの理念のかたち

図解1:『商品』から『生活価値(少し明るい明日)』への転換

私たちが仕事をどう捉えているかを、一枚の表にすると、こうなります。左の見方から、右の見方へ。私たちはこの矢印の右側を見て仕事をしています。

一般的な見方(モノ) ラクフルの見方(少し明るい明日)
本を売る 物語に没頭する、静かな時間を届ける
おもちゃを売る 家族の笑い声が生まれる夜を届ける
服を売る 明日の自分を、少し好きになる気持ちを届ける
化粧品を売る 鏡の前で、前を向けるひと呼吸を届ける
モノ = 届いて「終わり」 生活価値 = 届いてから「はじまり」

図解2:ラクフルの理念マップ(ミッション・ビジョン・7つのバリュー)

私たちの理念の全体を、一望できるかたちにまとめました。ミッションという一番上の想いから、日々のバリューやクレドまでが、一本の線でつながっています。

         【ミッション】
 インターネットを通じて、人々の生活に
    彩りと艶と輝きをもたらす
          │
         【ビジョン】
 大阪・豊中から、日本で最も楽しさと
 ワクワクを創造するEC事業者になる
          │
  ─────【7つのバリュー】─────
 楽しさ / 利潤 / 最先端 / 好奇心
    再現性 / 誠実性 / 持続性
          │
       【クレド(信条)】
 ① One for All, All for One
 ② まず与えることを率先する
 ③ 常に新しいことへ挑戦し続ける

図にすると、あらためて気づきます。私たちのすべての判断は、一番上の「生活に彩りを」という一点に、つながっているのだと。


ラクフルとしての仮説——ECは「生活価値を届けるインフラ」になれる

ここまでの話をふまえて、私たちがいま、検証しながら実践していきたい仮説をお話しします。

それは、「ECは単なる販売の仕組みではなく、生活に彩りを届けるためのインフラ(社会の土台)になれるのではないか」という仮説です。

インターネットとECの一番のちからは、距離と時間を越えられることだと、私たちは考えています。豊中の会社が扱う一つの商品を、日本中の、そしていつかは世界中の誰かの生活に届けられる。その人が、どんな街に住んでいても、どんなに忙しくても、夜中にスマホから注文できる。この「届く範囲の広さ」こそが、生活価値を運ぶインフラとしての可能性だと、私たちは考えています。

たとえば、2020年のコロナ禍。打撃を受けた地元店舗を支えるために、私たちは「とよなかマルシェ」というお取り寄せECを立ち上げました。地域の商品を、地域の外の生活へ届ける。これは、ECが「販売」を超えて、人と人の生活をつなぐ土台になれることの、私たちなりの実験でした。困っている隣人の顔が見えたから、動いた。それだけのことです。

もちろん、これはまだ仮説です。証明された成功法則ではありません。だからこそ私たちは、「再現性」——「たまたま売れた」を「意図して届けられた」に変えていく力を、地道に磨いていきます。そして、その効率化のためにAIやデータ活用も高度化させていく計画ですが、人の温度だけは決して手放しません。画面に並ぶ数字の向こうには、いつも、生活を営む一人の人がいるからです。


今後ラクフルが実践していくこと

私たちが「少し明るい明日」を、より多くの生活へ届けていくために、これから実践していきたいことを挙げます。いずれも確立した実績ではなく、これからの挑戦であり、仮説です。等身大の現在地として、正直に共有します。

  • 複数モールでの展開を深める。 楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Qoo10・Shopee・eBay・メルカリShops・ZenPlusなど、それぞれの場所で待っている人へ、より確実に届けられるよう、運営の力を磨いていきます。
  • 越境ECで、日本製品の信頼性を世界へ。 メーカーの規制で海外に流通できない商品もあるため、対応するモールへの出店を広げながら、アジアを中心に、日本製品の価値を届けていくことを目指します。
  • 自社PB(プライベートブランド)を育てる。 Kickstarterで800足以上を届けた「Sports Jog AIR」や「KaBanna」で積み重ねたものづくりの経験を活かし、ラクフルらしい商品を、自分たちの手でつくり、育てていきます。
  • 化粧品分野へ、ていねいに踏み出す。 厚生労働省の化粧品製造販売業・製造業の許可を前提に、ベトナム発のヴィーガンコスメを日本へ紹介することを計画しています。鏡の前で前を向く一瞬を、生活の彩りとして。
  • 地域と場を、さらに開いていく。 レンタルスペース(会議室・撮影スタジオ)を、個展やポップアップの舞台としても貸し出せるよう広げ、地域の「つくる人」の背中を、そっと押していきます。

打ち手はいろいろですが、目指す先は一つです。すべては、誰かの生活に「楽しい」を一つ増やすため。それ以外の目的は、ありません。


まとめ:楽しいを、もっと先へ。大阪・豊中から、世界と未来へ

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

私たちラクフルにとって、ECの運営は、ゴールではありません。それは、「インターネットを通じて、人々の生活に彩りと艶と輝きをもたらす」というミッションを実現するための、手段であり続けます。商品は、その想いを運ぶ乗り物です。

一つの荷物が誰かの手に渡り、その人の毎日が、ほんの少しだけ明るくなる。その明るさの連なりの先に、私たちが目指す未来があります。大阪・豊中という足元から、ともに働く仲間を大切にしながら、私たちは一つひとつの「楽しい」を、もっと先へ運んでいきます。

楽しいを、もっと先へ。大阪・豊中から、世界と未来へ。この旅を、これからも、あなたといっしょに続けていきます。

あわせて読みたい

ラクフルの想いの続きは、次の2本の記事でも綴っています。

ラクフルという会社をもう一歩深く知りたくなった方は、理念の全体像をまとめたミッション・ビジョン・バリューと、会社の歩みや事業を紹介するラクフルについてもあわせてご覧ください。


関連記事

TOP
TOP