中古品のネット販売に必要な古物商許可|対象・申請の流れ・注意点

フリマアプリで不用品を売る。せどりで仕入れた商品をネットショップで売る。中古品をビジネスとして扱おうとしたとき、多くの人が最初につまずくのが「これって古物商許可が要るのだろうか」という疑問です。

調べてみても、「営利目的なら必要」「個人の不用品なら不要」といった説明はあっても、自分のケースがどちらに当てはまるのか判断しづらい。届出をしないまま始めてしまい、あとで不安になる人も少なくありません。

私たちラクフルは、大阪・豊中で古物営業法に基づく許可を受け、リユース品のネット販売を日々の実務として営んでいます。この記事では、古物商許可が必要になる場面の線引きから、申請の流れ・費用・審査期間、許可を取ったあとに守るべき義務までを、法令に基づいて整理します。

この記事で分かること

  • 古物商許可が必要になるのはどんなケースか、不要なケースとの線引き
  • 古物営業法が対象とする「古物」の範囲と13の品目区分
  • 許可申請の流れ・必要書類・手数料・審査にかかる期間の目安
  • 許可を取ったあとに守るべき本人確認・帳簿保存などの義務
  • 無許可で営業した場合のリスクと、2018年改正で変わったこと

結論:営利目的で中古品を仕入れて売るなら、原則として許可が必要

先に結論からお伝えします。古物営業法上、中古品(古物)を「営利の意思をもって」反復継続して仕入れ、販売する場合は、原則として都道府県公安委員会の古物商許可が必要です。フリマアプリで自分の不用品を1点売るだけなら許可は不要ですが、仕入れて売る、つまり転売を事業として行うなら話は変わります。

この制度の目的は、盗品などの売買を防ぎ、犯罪を抑止し、被害の早期回復に役立てることです。手続きは負担に感じられることもあるでしょう。それでも、この制度があるからこそ、中古流通全体は悪用から守られています。ここから、対象になる場面・申請の流れ・許可後の義務の順に見ていきます。

何を売れば「古物」にあたるのか

古物営業法が定める「古物」とは、一度使用された物品を指します。ほかに、使用されないまま取引された物品(いわゆる新古品)や、これらに手入れを加えたものも含まれます。新品を仕入れてそのまま売る行為は、原則としてこの法律の対象外です。

対象となる古物は、古物営業法施行規則で次の13の品目区分に分けられています。許可申請の際は、この中から自分が扱う品目を選んで申請します。

  • 美術品類
  • 衣類
  • 時計・宝飾品類
  • 自動車
  • 自動二輪車及び原動機付自転車
  • 自転車類
  • 写真機類
  • 事務機器類
  • 機械工具類
  • 道具類
  • 皮革・ゴム製品類
  • 書籍
  • 金券類

個人の不用品を売るだけなら、許可は不要

ここで多くの人が気になるのが、フリマアプリやオークションでの不用品売却との違いです。自分が使っていた服や本を、不要になったから売る。これは「営利の意思をもって反復継続する」取引にはあたらないため、古物商許可は不要とされています。

一方で、次のような行為は「営業」とみなされ、許可の対象になり得ます。転売目的で商品を仕入れて売る(いわゆるせどり)。海外や店舗で安く仕入れた中古品をまとめてネットで売る。他人から買い取った品を修理・整備して販売する。判断に迷う場合は、営業所を管轄する警察署の生活安全課へ事前に相談するのが確実です。

申請の流れ・必要書類・費用・審査にかかる期間

許可を取る、と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、手順自体はシンプルです。営業所(自宅を営業所にする場合も含む)を管轄する警察署の生活安全課に、申請書一式を提出します。審査は都道府県公安委員会が行い、通れば許可証が交付されます。

申請には複数の書類が必要です。主に次の5点をそろえます。

  • 許可申請書
  • 略歴書
  • 住民票の写し(本籍・国籍の記載があるもの)
  • 身分証明書(市区町村発行で、破産していないことなどを証明する書類)
  • 誓約書

法人として申請する場合は、これに加えて定款や登記事項証明書も必要です。ネット販売でホームページを使うなら、URLの利用権限を示す資料の提出も求められます。

項目 目安
申請手数料 19,000円(都道府県発行の証紙等で納付)
標準処理期間 申請から約40日(古物市場主許可は約50日)
申請先 主たる営業所を管轄する警察署の生活安全課(営業所がない場合は住所地を管轄する警察署)
受付時間の例 平日9時〜16時(自治体により異なる)

手数料は審査そのものにかかる費用のため、審査の結果として不許可になった場合でも返金されません。書類の不備は補正のやり取りが発生し、その期間は標準処理期間の40日には含まれません。

せどりや個人の副業として申請する場合、特に時間がかかりやすいのが住民票や身分証明書などの公的書類の取り寄せです。申請書一式を警察署へ持ち込む前に、必要書類をリストアップして早めに揃えておくと、審査開始までのロスを減らせます。事前に警察署へ相談してから提出するくらいの慎重さが、結果的には近道になります。

許可が下りない「欠格事由」に注意

誰でも申請すれば許可が下りるわけではありません。古物営業法第4条は、許可を与えない「欠格事由」を定めています。主なものは次のとおりです。

  • 破産手続開始の決定を受けて、まだ復権を得ていない者
  • 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終える(または受けなくなる)日から5年を経過しない者
  • 窃盗罪・背任罪・遺失物等横領罪・盗品譲受け等罪など特定の犯罪で罰金の刑に処せられ、同じく5年を経過しない者
  • 暴力団員や、暴力団と関係を有する者
  • 心身の故障により、古物商または古物市場主の業務を適正に実施できないと国家公安委員会規則で定める者

2018年の改正では、このうち窃盗罪で罰金刑を受けた者が欠格事由に追加されました。盗品の流通に関わった者を排除する姿勢が、より明確になった形です。

許可を取ったあとに守るべき義務

許可は取って終わりではありません。古物商には、営業を続けるあいだずっと守るべき義務があります。中心になるのが、本人確認と帳簿保存の2つです。

古物を買い受けたり交換したりする際は、相手の住所・氏名・職業・年齢を確認する義務があります。対価が1万円未満の取引では、原則としてこの義務は免除されます。ただし、次のような盗品化しやすい品目は、1万円未満でも確認が必要です。

  • 自動二輪車・原動機付自転車(部品を含む)
  • 家庭用ゲームソフト
  • CD・DVDなどの光学記録媒体
  • 書籍
  • エアコンの室外ユニット・電気温水機器のヒートポンプ
  • 電線・金属製グレーチング

このうちエアコンの室外ユニットや電線・金属製グレーチングは、金属類の盗難被害が急増したことを受け、2025年10月1日に施行された古物営業法施行規則の改正で新たに加わった品目です。以前からの決まりだと思い込まず、対象品目は都度確認するのが安全です。

ネットでの非対面取引でも、本人限定受取郵便や写真付き身分証の画像送信、公的個人認証といった方法での本人確認が求められます。

加えて、取引の年月日・古物の品目や特徴・相手方の情報・本人確認の方法を、帳簿等(電磁的記録可)に記載する義務があります。この帳簿は、最終の記載をした日から3年間、営業所に備え付けて保存しなければなりません。私たちも入荷のたびにこの帳簿へ記載するようにしているのは、几帳面さの問題ではなく、この法律上の義務があるからです。

2018年改正で変わったこと

古物営業法は2018年(平成30年)4月25日に大きな改正が行われ、2020年4月1日に全面施行されました。最大の変更点は、許可の単位です。

改正前は、営業所のある都道府県ごとに許可が必要でした。改正後は、主たる営業所を管轄する公安委員会の許可1つで全国営業ができます。他の都道府県に営業所を設ける場合も、許可ではなく届出で足ります。複数モールで多店舗展開する事業者にとっては、負担が大幅に軽くなる改正です。

このほかにも、実務に直結する変更が複数ありました。催事や出張買取のための仮設店舗営業が、届出制で解禁されました。非対面取引での本人確認方法には、身分証2点の送付など具体的な方法が追加されました。所在不明の古物商については、公告後30日で許可を取り消せる簡易取消し制度も新設されました。全体として、正規の事業者が営業しやすくなる方向と、盗品を売りにくくする方向の両方を強めた改正だといえます。

無許可で営業した場合のリスク

「バレなければ大丈夫」ではありません。無許可で古物営業を行った場合、古物営業法第31条の対象になります。罰則は3年以下の拘禁刑、または100万円以下の罰金という重いものです。せどりや中古転売を副業として始めた人が、この規定を知らないまま営業を続けてしまうケースは実際にあります。

罰則だけの問題でもありません。無許可営業が発覚すれば、販売していたモールやプラットフォームからアカウントを停止される可能性もあります。これから積み上げていくはずの信用そのものを、最初の一歩でつまずかせてしまうのはもったいないことです。迷ったら仕入れて売り始める前に、必ず管轄の警察署へ確認することをおすすめします。

私たちが古物商として大切にしていること

私たちラクフルは、都道府県公安委員会の許可を受けた古物商です。本、CD、DVD、ゲーム、おもちゃ、家電などのリユース品を、検品や入荷対応にあたる仲間たちの手で、日々仕入れ、検品し、ネットで販売しています。買い取りの際に本人確認をお願いすると、驚かれたり、少し身構えられたりすることもあります。それでも私たちは、この確認と記録こそが、リユース事業でいちばん最初に試される誠実さだと考えています。仕入れた一点ずつをどう検品し、出品しているかは、リユース事業のこだわりで詳しく紹介しています。

今後、複数モールでの展開をさらに深めていく中でも、この本人確認と記録の精度を落とさないことを実践していきます。許可という制度は、私たちのような事業者が信頼を積み重ねるための土台です。同時に、これから中古品販売を始めようとする方にとっても、避けて通れない最初の一歩でもあります。

まとめ:許可は負担ではなく、中古流通の信頼を支える仕組み

中古品のネット販売を営利目的で行うなら、原則として古物商許可が必要です。手続き自体は、手数料19,000円、標準処理期間は約40日というシンプルなものです。ただしその先には、本人確認や帳簿保存といった継続的な義務が待っています。

面倒に感じる場面もあるかもしれません。それでも、この仕組みがあるからこそ、盗品の流通は防がれ、買う人は安心して中古品を選ぶことができます。許可は営業のハードルではなく、中古流通という市場そのものの信頼を支える仕組みです。中古流通が社会でどんな役割を担っているかは、別記事リユースとサステナビリティでも紹介しています。これから中古品のネット販売を始める方が、迷わず正しい一歩を踏み出せることを願っています。

よくある質問

Q. フリマアプリで自分の不用品を売るだけでも古物商許可は必要ですか?

A. 不要になった自分の持ち物を売るだけであれば、営利目的で反復継続する「営業」にはあたらないため、原則として許可は不要です。ただし、転売目的で仕入れた商品を継続的に売る場合は営業とみなされ、許可が必要になります。

Q. 申請してからどれくらいで許可が下りますか?

A. 標準処理期間は申請から約40日とされています(古物市場主許可は約50日)。ただし書類に不備があり補正が必要になった場合、その期間は40日には含まれません。事前に管轄警察署へ相談してから申請するとスムーズです。

Q. 許可を取ったあと、何を守ればいいですか?

A. 中心になるのは本人確認と帳簿保存の2つです。古物を買い受ける際は相手の住所・氏名・職業・年齢を確認し、取引内容を帳簿等に記載して最終記載日から3年間保存する義務があります。

Q. 複数の都道府県で販売する場合、許可はいくつ必要ですか?

A. 2018年の法改正により、主たる営業所を管轄する公安委員会の許可1つで全国営業が可能になりました。他の都道府県に営業所を新たに設ける場合は、許可ではなく届出で足ります。

Q. 無許可で営業していたことが発覚するとどうなりますか?

A. 古物営業法第31条により、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。加えて、出店しているモールやプラットフォームからアカウントを停止されるおそれもあります。

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参考情報・出典

公開: 2026年7月13日 / 最終更新: 2026年7月13日 / 執筆: ラクフル株式会社(リユース事業の現場より)

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